そっと手を差し伸べる
空気のような存在に

※この仕事は募集終了いたしました。ご応募ありがとうございました。

年齢を重ねても、その人らしく生きる。

簡単そうに見えて、こんなにも難しい概念はありません。

人は必ず年老い、だんだん心身の自由がきかなくなってきます。
そんな時にあるべき介護とは何か。

一口に介護と言っても、世の中にはさまざまな形があります。
もちろん、それらのすべてに一長一短があり、介護を受ける人も提供する人も、環境に応じてサービスを選択してきました。

一度介護が始まると、事前に理解していたつもりでも、病院が遠い、スタッフ数が少なすぎる、自立支援の概念が希薄など、さまざまな課題や不安に直面することが多いと伺います。

そのような状況の中で、さまざまな不安を可能な限り取り除き、いつでも自分らしく誇りをもって人生を過ごすことができるように、

「都心における住まい方の理想を追求し、居住者様の安心で快適なくらしを実現します」

というビジョンを掲げて、居住者様の暮らしからサポートする人たちがいます。


東京都中央区明石町。

今回訪れたのは銀座と築地に隣接し、隅田川のほとりにある聖路加レジデンス。

こちらでは聖路加国際病院と密接に連携を保ちながら、
「人生の継続性の尊重」
「もてる能力の活用」
「自己決定の尊重」
などの行動指針を誠実に実行し、ケアを提供しています。

東京メトロの築地駅から南東へ。
ほどなくして聖路加国際大学や聖路加国際病院が見えてきました。

学校や病院の横に設けられた小路を歩くと
木々に包み込まれるような、どこかやさしい気持ちに。

小路を抜けた先に見えてくるふたつの高層タワー。
そのひとつが聖路加レジデンスです。

このエリア一帯は、聖路加国際病院を核に、大学、オフィス、ホテルといった複合施設を一体的に整備する、
「聖路加ライフサイエンスセンター構想」
を実現している場所。

「人の誕生から生涯を全うするまで、すべての生を見守り、温かい手を差し伸べていく」

という聖路加国際病院創設の祖、トイスラー博士が掲げた理念「全人医療」が多角的に実践されている場所でもあります。


高層ビルの中に入ると吹き抜けの大きな空間。
エスカレーターで2階へ上がり、小さな入口から聖路加レジデンスのエントランスへ。

ご挨拶も早々に、早速、働いている人たちと出会うことができました。

最初にお話を伺ったのは、介護福祉士の小林さん。
穏やかな佇まいがとても印象的な方です。


小林さんが聖路加レジデンスで働き始めたのは、いまから約10年前のこと。
それまでは、介護老人保健施設(老健)に勤務していたそうです。

社会人になる前から、人の役に立つ仕事がしたいと考えていた小林さん。
学校の先生になるか介護福祉士になるかを考えた末に選んだのが、介護福祉士の道でした。

老健での日々は、小林さんの介護技術をどんどん向上させてくれましたが、
一方で、転職への思いが日に日に増していったといいます。

なぜでしょうか。

「ご存知のとおり、老健での介護はとてもタイトです。一人で10名以上の介助を担当することが多く、常に時間に追われていました」

「もっと、一人ひとりに寄り添った介護をしてみたいという思いがつのり、福祉人材センターを訪ねてみたのです」

思いの丈を目の前の相談員に打ち明けたところ、「いま、うちに求人は来ていないけれど、聖路加レジデンスさんなら理想的なのですが」という情報を得たそうです。

「帰ってからすぐにWebサイトを見たところ、なんと偶然にも求人中と表示されているではありませんか。これは何かのご縁だと思い、すぐに面接を申し込みました」

無事、聖路加レジデンスに転職できた小林さんでしたが、新たな悩みも出てきました。

「私が身に付けてきた技術は通じるのだろうか」

でも、その思いは杞憂に終わったそうです。

研修中は、必ず先輩が同行し一人の居住者様に対して一人以上の看護・介護スタッフがサービスを提供する聖路加レジデンスならではの介護を丁寧に教えてくれたのでした。

「自分が持っている技術は十分通じると自信になりました。それよりも勉強しなければならないことがたくさんあるということに気付かされたのです」

聖路加レジデンスでは、マンションに入居した人にクリニックでの診療や介護、食事などのサービスを提供しています。

つまり、介護はサービスメニューのひとつ。

それに気付かされたのは、入職したてのある日のこと。

入浴の時に、つい以前までのクセで手際良く介助を進めてしまった小林さん。
それを見た先輩が、早さではなく60分という入浴時間をどう使えばご満足につながるか考えてごらんと教えてくれたのです。

そっと見守ることも、大切な仕事。
これまでにない介護への道が開いた瞬間でした。

「単に事故なく早ければ良いわけではないと気付かされました」

「気持ちよさ、個人の尊厳、自立支援などの視点が欠けていました。介護の本質を考え始めるきっかけになったのです」

「今では、左利きの方には左手に渡すなど、細かいところまで配慮するように心がけています」

また、小林さんは聖路加レジデンスならではの職場環境に驚いたといいます。
それは、介護と看護の立ち位置とチーム力。

「ここでは看護師も介護福祉士も同じユニフォームを着て働いています」

「居住者様は分け隔てなく質問されるので、実際の処置はできなくとも看護師さんと同等の知識が必要になります。
特に薬の知識は必要不可欠ですね。これも、勉強を積み重ねました」

そう話す小林さんの表情は、とても充実感に満ちていました。

人として向上できる場所に身を置き、持てる力を発揮する。
まさに望んでいた環境で働いているからこその表情でした。

そこで、聖路加レジデンスで働くために必要なことは何かを伺ってみました。

「経験者を採用しているので、おそらく技術の問題は少ないはず。それよりも、向学心と人間力。相手に思いを馳せることが大切だと思うのです」

「何よりも私が学んだのは、心穏やかであることです」

人はつい、思った通りにものごとが進まないとイライラしてしまいます。
しかし、介護の現場では、その心の揺れは必ず相手に伝わるもの。

プロとして最高の介護を求めたときに得た結論が、常に心穏やかでいるということでした。

その心の安定にとって大切なことのひとつが聖路加国際病院との連携。

通常の施設では様子を見ていて悪化させてしまう可能性がある症状でも、介護福祉士や看護師が必要と判断をすれば診察してもらうことができます。

「以前、腰痛になった方がおられましたが、万が一のことを考えて受診していただきました。すると、なんと骨にヒビが入っていたのです」

「早期発見ができたことで、早めの対応を行うことができ、悪化を防ぐことができました」

日本有数の病院と連携していることは、居住者様に加えてスタッフも安心できる環境です。

そんな小林さんが特に好きなことは、認知症の方々の介護。

「何も飾らず、喜んだり機嫌が悪くなったりされるなど、感情を素直に表現される方が多いからです。
だからこそ、私がいて笑顔になってもらえると、とてもうれしい」

聖路加レジデンスならではの環境を活かし、今日も小林さんは穏やかな笑顔で介護に取り組んでいます。

 

同じく介護福祉士の泰中さんにもお話を伺いました。
笑顔がなんとも自然で、やさしい雰囲気にあふれている方です。

泰中さんは、高校卒業後に保育士を目指して進学したとのこと。

単位取得カリキュラムの都合上、1年間だけ介護福祉科に入ったところ、この道のおもしろさに気付いたそうです。

「保育士は乳幼児、介護福祉士はご高齢の方々が相手です」

「人生の大先輩に接することで勉強になることも多いですし、かわいがってももらえます。
介護のさまざまな魅力に気付き、この道に進みたいと思うようになったのです」

無事に学校を卒業し、資格を取得。働き始めたのは、複合型の施設。
11年間の勤務の中で、だんだん任される領域が増え始め、ついには管理職になった泰中さん。

しかし、それは望んでいたものではないと判断したそうです。

「昇進がうれしい人もいると思いますが、私は何よりも現場が好きなんだと気付かされました」

「それならいっそのこと、別の介護現場に身を置いて見識を広げようと思い、転職した先が聖路加レジデンスだったのです」

転職時に決め手になったのは、家からの通いやすさと、働く条件がしっかりしていたこと。

しかし、聖路加レジデンスで働いていく中で、いろんな変化が訪れました。

「通常、転職してすぐの研修は、その施設に合った方法論を学ぶことです。多くの場合、それはチームで効率良く作業を進めるための確認作業に近いものです」

「でも、ここでは接遇マナーや会社のことなど、多くの現場で後回しにされやすい介護の根幹についてきっちりと学ぶことができました」

笑顔や穏やかさを心がけること。
たとえ忙しくても居住者様にそれを見せず感じさせないこと。

それはこの世界に身を置く人は誰でも目指すことです。

しかし、泰中さんは聖路加レジデンスの研修で、なぜそうすべきなのかを根本から知り、成長できたと話してくれました。

「ご高齢の方々ですから、万が一のことが起こらないとはいえません」

「以前から後悔しないように介護すると心に決めていましたが、ここではみんながそう思って日々の介護の仕事に向かっています。どうりでチームワークが良いはずです」

介護福祉士と看護師が対等に働く現場。
そして、目的意識を共有できる仲間たち。

日頃から意見交換が活発で、より良い介護に取り組める環境と泰中さんは話します。

「日常のコミュニケーションから、問題点や解決方法がどんどん出てくるのです。

「たとえ意見が分かれても、まずはやってみようとなり、全員がその動きを支えます」

「私もこれまでに経験したことを話してきましたが、振り返ってみるともっと解決案を出さなければと思いました。
今後のクリアすべき課題だと感じています」

自らの向上心を発揮できる環境で輝く泰中さん。

小林さんと同じく、聖路加レジデンスの大きな特徴として、医療との連携が大きな存在だと話してくれました。

「やはり、医療との連携が密なことには、言葉で言い尽くせないほどの安心感があります」

「看護師と垣根なく話せること、クリニックが併設されていること、そして何よりも聖路加国際病院が目の前にあることは、自信を持って介護をするのに必要不可欠な環境」

「居住者様にとっても、大きな安心感につながっているとよくお聞きします」

レジデンス4階にある聖路加クリニックでは、聖路加国際病院との連携で年2回の定期健診を実施。

異常が発見された場合には速やかに聖路加国際病院で、治療を受けられる体制が整えられています。

暮らしそのものを見守る体制の中で介護をすることが泰中さんにとって、かけがえのない人生経験になっていると話してくれたことが印象的でした。

 

聖路加レジデンスでいきいきと働く介護福祉士たちをまとめているのは、ケアグループのマネジャーで介護保険センター管理者の天野さん。

落ち着いた話し方と雰囲気から、頼れる先輩像を容易に想像できる方です。

天野さんが聖路加レジデンスにやってきたのは約20年前のこと。

聖路加国際病院が大きなビジョンを持って取り組んでいるプロジェクトは周囲でも有名で、以前から興味もあったため、転職を決意したそう。

「ただ、看護師と対等な立場で働くと聞いていたので、新鮮でもあり、プレッシャーも感じましたね」

「看護師も介護福祉士も区別なく話しかけられるということは、疾患や薬について詳しくならねばならないということですから」

「でも、私が働き始めた頃は現在よりも人数が少なく、必然的にオールマイティな能力を求められたということもあり、開き直っていろいろ勉強してみました」

「知識と経験が増えていくたびに対応の幅が広がり、とても仕事が楽しくなったことを今でも覚えています」

20年という年月の中で聖路加レジデンスが目指す方向性を体得していった天野さん。

新しく入るスタッフには、介護福祉士という枠を超えたホスピタリティの意識と、自らがサービスマンであるという自覚が必要と話します。

「聖路加レジデンスは介護や医療の場でなく、それ以前に暮らしの場です。
まだまだ元気な方が弊社の万全の体制を求めて、セカンドハウスにされる方もおられます」

「居住者様の一人ひとりに対してオーダーメイドの対応が求められるため、それが何かを自ら考える向上心と素直さに加えて、チームを力強く推進させるためのコミュニケーション能力と柔軟さが必要となるのです」

「目指しているのは、ホテルのようなサービスなのかもしれません」

『安心で快適なくらしを実現する』ことこそ、聖路加レジデンスが描くビジョン。

その実現のためには、マンションの一室という暮らしの場において、各家庭のルールや生活を尊重することが大前提。

小林さんの穏やかさや泰中さんの笑顔も、そのような環境の中で培われてきたものと話してくれました。

質の高いサービスを生み出すのはスタッフたちですが、そのスタッフを生み出すのは会社やマネジャー。

天野さんがケアマネジャーとして取り組んでいることや、心がけていることについて伺いました。

「向学心が高いスタッフが多いので、個性を活かしつつ、それぞれの能力を高い水準に持っていきたいと、毎日考えています。

「外部の研修など、学習参加は積極的に推奨していますし、弊社での研修も一般的な介護系企業と比べて多い方なのではないかと自負しています」

広く深くスタッフの意見を聞くために、コミュニケーションを密に取り、絶やさないと話す天野さん。

「相談してねと話す上司は世の中に多いと思います。
でも、私はどうすれば相談しやすくなるのかを考えています。
とはいっても、時間を見つけては丁寧に話しかけるという地道な方法がほとんどですが」

「いつも話しかけていると、自然と会話の中に拾っていくべき課題が散りばめられていることに気付くのです」

「マネジャーは、それを見つけて解決する役割と考えています」

いま世の中では、人との関係が希薄になる場所のほとんどで、コミュニケーションの不足が指摘されています。

同様に、チーム力を発揮したスポーツチームや企業などのインタビューでは、たくさんのコミュニケーションが背景にあると気付かされます。

天野さんもまた、スタッフそれぞれの不安を解消し、一丸となって素晴らしいサービスを提供できるように全力を尽くしているのでした。

最後に、20年近くも聖路加レジデンスに籍を置いている天野さんに、現在どれぐらいの達成感を持っているのか質問してみました。

「実はまだ本当の意味での達成感を感じたことはありません。人の成すことに100点満点はありませんが、常にそれを目指している状態です」

「毎回、どこかに克服すべき課題がありますから」

「あくまでも個人的な意見ですが、私はありがとうと言われても、目立ち過ぎたかなと思ってしまいます」

「特に聖路加レジデンスは暮らしの場ですから、そっと手を差し伸べる空気のような存在になれたらと考えていますが、一生をかけて追及するテーマなのかもしれませんね」

 

聖路加国際病院を核に、大学、オフィス、ホテルなどの複合施設を一体的に整備してきた、「聖路加ライフサイエンスセンター構想」。

こう聞くと、設備や仕組みの面が強調されやすくなりますが、そこで暮らし、働いているのは、他でもない『人』です。

人と人がつながり、人生がいきいきと輝けるものであるように。

居住者様本位のサービスを提供していくことで、人間として成長できる環境が聖路加レジデンスには文化として根付いていました。

仕事を通して、人間としても成長したい。

そう思えるあなたなら、次の成長の舞台としてここは最適な環境だと思います。